星屑
ヒロトは辛うじて学校には来ているようだが、避けられているのか会うことはなかった。


だからといって勇介と過ごすでもなく、最近では、フリー同盟の樹里とふたりでいることが増えたと思う。


ちなみに沙雪は、大地くんに盲目的だ。



「あ、奈々ちゃん!」


呼び止める声に顔を向けてみれば、久々に見たスッチの姿。


この人もまた、最近学校に来る日が減ったと思う。



「スッチ、ずっと何やってたの?」


「だって学校ダルイじゃん。」


それだけが理由なのか、はたまた本当はもっと別の理由があるのか。


でも、スッチが誤魔化すように笑うので、あたしは深くは追求しなかった。



「それよりさ、ヒロトからちょっと聞いたけど。」


本題に入るように、彼の瞳はあたしを捕える。


そして、大変そうだねぇ、と他人事のように言われてしまった。



「樹里も彼氏と別れたみたいだし。」


「相変わらずよく知ってんね。」


「まぁ、色々と耳にするし?」


スッチはこれでも情報通だ。


みんなが彼に相談するから、というのもあるのだろうが、それでもこの人は、動いたりはしない男。



「…樹里のこと、心配?」


それなりにね、と彼は言う。


あたし達は一緒に歩き、中庭を進んだ。

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