星屑
「つーか俺としては、ヒロトも奈々ちゃんもさゆも、平等に心配してるんだけど。」


「苦労が絶えないね、スッチは。」


だから彼の本心は、やっぱり見えないままだ。



「土屋クンのグループも、最近まとまりないみたいだし?」


それはあたしも知っている。


まぁ、勇介のグループなんて元々、ただ騒ぐために集まっているような集団なので、つまんなければばらけてしまうような、適当なもの。


ヒロト達には妙な連帯感があるけれど、彼らのグループには、はなからそんなものはない。


ついでに言えば、大地くんも沙雪といる時間が増えているから。


つまりは烏合の衆であり、仲良しごっこという程度。


だって勇介自身、他人に興味がないのだから、それも当然と言えばそうなのだろうけど。



「でも、これ以上ぐちゃぐちゃになると、俺嫌な予感するっつーか。」


「…どういう意味?」


「面倒くさいことにならなきゃ良いけど、ってこと。」


確かに、あたし達三姉妹だって最近じゃバラバラだ。


ふと、先日樹里が口にした疑問符を思い出し、急いでそれを振り払った。



「じゃあ、面倒なことになった時、スッチが一番に助けんのは、誰?」


突っ込んで聞いてみたが、彼は顔を崩したりはしなかった。


そして、内緒でーす、なんて笑いながら、また誤魔化されてしまう。


相変わらず、殊勝な男だ。

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