星屑
最近の勇介は、周りに女の子をはべらせなくなった。


だからあたしのことを本気なんだと言っていた台詞も、もしかしたらあながち嘘ってわけでもないのかもしれないけれど。


そういうことに戸惑って、だからやっぱりどうして良いのかがわからなくなる。



「顔色悪いね。
ちゃんと飯とか食ってんの?」


そう、彼は柔らかく笑う。


どうやらそれが自分の所為だという自覚はなさそうだけど。



「ねぇ、天気良いし一緒にサボらない?」


あたしから誘うのは、多分初めてだったろう。


勇介は一瞬驚いた顔をして、でもすぐに嬉しそうにふっと笑った。



「てか、何もしないって約束守れるならだけど。」


と、付け加えると、



「はいはい、わかってますよ。」


そんな軽い返事をし、彼は先に歩き出した。


向かう先はきっと第4校舎だろう、聞かなくてもわかる。


勇介の暗めのアッシュブラウンの髪は陽に染まり、ひどくあたたかな色をして見えた。


一緒に歩くと人目を引くのは嫌だけど、でも勇介がそんなこを気にすることはない。

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