星屑
もう随分、頭の中はごちゃごちゃとしたままだった。


学校では色んな事に気を揉んで、家に帰っても落ち着くでもなくママの世話や家事、小言さえ言っているあたしはきっとおばさんだとも思う。


だから自分のことどころではなくて、正直疲弊もしていただろう。


なのに好きだと言われ、答えを急かされる。


そういう感情に流されるのは未だに怖いし、恋愛事はやっぱり苦手だ。


ベッドに寝転ぶと、微かに勇介の香りが鼻をついた。


BGMはオアシスの楽曲で、なのに先ほど泣いてしまったこともあり、目を閉じてみれば、急に睡魔が襲ってくる。


あたたかな陽射しも手伝い、あたしは意識を手放すことを選択した。







「奈々、いい加減起きない?」


そんな声が聞こえた気がして意識を手繰り寄せると、目を開けるより先に頬に触れた冷たい指先の感触。


驚いてみれば、「また泣いてた?」と迫る顔。


視線を泳がせて状況を察するに、確かあたしは勇介のベッドで寝てて、おまけにもうすっかり陽は暮れている。


ついでに覗き込まれた顔が近くて、保健室でのことを思い出した。


わわわっ、と急いで体を起こすと、勇介は笑った。



「つーか、爆睡しすぎっしょ。」


枕元にあった目覚まし時計には、夕刻もとうに過ぎた時間が表示されている。


どうやらあたしは、随分無防備なことをしてしまったと、やっぱり卒倒してしまうかと思った。



「先に言っとくけど、触ってませんからね?」

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