星屑
いたずらに言った勇介は、けど、と思い出したように口元を緩めた。



「一応男の部屋に来といてパンツ見せたまま寝るとか、大胆なことしてくれるね。」


「…なっ…!」


唇を噛み締め、急いでスカートを押さえた。


が、やっぱり自分の馬鹿さ加減に泣きそうで、消えてなくなりたいと思う。



「まぁ、良い眺めだったけど、これって生殺しだよねぇ。」


「うるさいってば!」


ぺろっと舌を出した勇介の顔がいやらしくて、真っ赤になった。


初対面でセックスをしておいて、今更だろうとは思うけど、でも悔しい。



「もう一回同じことがあったら、俺は手出すからね。」


宣言するなよ。


いや、あたしが軽率なだけだったろうけど。



「でも、泣きながら寝てる奈々見たら、さすがにそういう気も失せたけどさ。」


泣きながら、寝てた?


小首を傾げて考えてみれば、起き抜けに勇介が頬に触れたことを思い出した。


ってことは、本当にあたしは涙を流していたのだろうけど。


それと同時に、テーブルに置いてある灰皿にはすっかり煙草のカスが盛られているのを見れば、悪いことをしたな、と今更思う。


部屋には肌寒さの帳さえ降りていて、ごめん、と呟いた。



「まぁ、良いけどね。」


言ってから、勇介はあたしに軽くキスをした。


驚いてみれば、これで貸し借りナシね、なんて憎い笑みを浮かべられてしまう始末。


悔しいけれど、あたしは怒れる立場ではなく、ため息だけを混じらせた。

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