星屑
翌日、髪の毛を耳の下でひとつに束ね、どうにかキスマークが見つからないような努力を重ね、憂鬱な中で学校に行った。


一番に会ったのは樹里で、でも彼女もどこか元気がなさそう。



「昨日、何でスッチと一緒に帰ったの?」


「そういう奈々こそ、勇介と帰ったらしいじゃん。」


逆に言われてしまえば、言葉に詰まる。



「ねぇ、樹里とスッチって、何かあんの?」


「奈々は勇介と進展した?」


だけども質問返しをされてしまい、会話にならない、と宙を仰いだ。


つまりはこれは、聞かれたくない、ってことなんだろうけど。


どうしたものかと思っていれば、「ちょっと職員室行かなきゃだから。」と言った樹里は、さっさとあたしからきびすを返してしまう。


ご機嫌斜めの彼女は放っておくことに限るので、追いかけようとは思わない。


長くため息を吐き出しながらその後ろ姿を見送り、あたしも教室へと向かうために歩を進める。


が、西階段を登っていたところで足が止まった。


彼はそこに座り込み、あたしを見つけると、まるで待っていたと言わんばかりに無言で立ち上がる。


目を逸らしたが、逃げることは叶わなかった。



「話の続き、しようぜ。」


本当に、勝手な男だ。


今まで散々学校に来なかったくせに、なのにまるであたしの方が悪いとでも言いたげに睨んで来る。


金色に染まった髪は、明かり取りの窓から射し込む朝日に照らされていた。



「ヒロトと付き合う気はない、って言わなかった?」

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