星屑
「それって土屋を選ぶ、ってこと?」


「勇介のことなんか関係ないでしょ。」


突き放すように言ったのだが、彼は舌打ちを混じらせる。


これ以上話してらんない、と思って再び足を踏み出そうとした瞬間、待てよ、と掴まれた腕。



「いい加減にしてよ!」


言って振り払った瞬間、ヒロトはひどく驚いた顔をした。


そんなものに、逆にあたしの方が何事なのかと思ってしまう。



「お前それ、何?」


“それ”の意味は、彼の視線の向けられた場所によって瞬時に理解した。


見られてしまった、と思い、焦ったように首元を隠すが、もう遅い。



「誰?」


ひどく冷たい瞳は、あたしを見据えている。


先ほど揉み合った際に見えてしまったのだろうけど、出来ることならこの人にだけは知られたくなかったと思うあたしは、やっぱり最低なのかもしれない。



「誰と、って聞いてんだよ。」


「…何で答えなきゃいけないの?」


「土屋?」


きっとヒロトは、あたしと勇介がヤッたと思っているだろう。


確かに行為自体は最初に会った日にしたけれど、でもこのキスマークは、そういうものではない。


ただ、彼に諦めてもらうためには、それを利用するしかないのかもしれないけれど。



「あたしが誰と何をしてようと、カレシでもないヒロトには関係ない。」

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