星屑
とてもじゃないが教室に行こうなんて気にはなれず、向かった場所は保健室。


扉を開けてみれば、沙雪の姿に驚いてしまう。



「あ、奈々じゃん。
朝からここ来るって珍しいね。」


笑いながら言ってても、その顔は、樹里同様に覇気がないように見えるのは、気の所為なのだろうか。



「さゆこそどしたの?
またお腹痛くなった?」


「んー、そんなんじゃないけど、何となくね。」


何だか歯切れの悪い返答だけど、今は深く追求できるほど、あたしにも心の余裕なんてものはないから。


そう、とだけ言えば、沈黙が広がってしまう。



「…大地くんと、喧嘩でもした?」


だけども重苦しい感じに耐えきれずにあたしは、結局は言葉にしてしまった。


なのに、そんなんじゃないよ、とだけ沙雪は言い、会話が続かない。


彼女はベッドに座り、あたしは泣いていた顔やキスマークがバレないようにと、少し距離を取ってソファーに腰を降ろした。


沙雪はバッグの中からファッション誌を取り出し、あたしは意味もなく携帯をいじる。


普段はうるさいくらいの彼女が大人しいと、どうして良いのかがわからない。


困り果てていると、再び扉が開いたのはそれからすぐのこと。



「うおっ、何やってんの?」


入ってきたのはスッチで、彼はあたし達を見て心底驚いたような顔をしていた。


まぁ、朝から保健室にいて、しかも距離を取って座っている以上、彼が目をぱちくりとさせるのも当然だろうけど。


それにしても、変な組み合わせになってしまった。


と、いうか、さっきのことがあった手前、スッチと顔を合わせたくはなかったんだけど。

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