星屑
「ねぇ、スッチ。
樹里の機嫌悪い理由、知ってる?」


携帯に視線を落としたまま、あたしは問うた。


でも彼は、曖昧に笑いながら、まるで誤魔化そうとしているかのよう。



「想像はつくけど、樹里が言いたくないんなら俺は言えないし?」


「あっそ。」


まぁ、予想の範疇だ。



「スッチが何かしたの?」


「…俺の所為なんじゃないか、って?」


更に突っ込んで聞いたあたしにスッチは、やっぱり不機嫌な顔になる。


これも珍しいことだけど、でも、彼らは昨日、一緒に帰ったのだし、何かあると思うことは普通だ。



「奈々ちゃんこそ、ヒロトの機嫌悪い理由、知ってんじゃない?」


どうしてそこであたしの話になるのか。


やっぱりこの人もまた、自分のことなんて話したくはないようだ。


沙雪はベッドに寝転んだまま、多分この会話を黙って聞いているのだろうし。



「つーかアイツ、マジでこのまま学校サボってたら、留年するかもな。」


「…何それ、あたしが悪いってこと?」


棘のある言い方ではないが、それでも無性に腹が立つ。


確かにあたしが原因だってことはわかってるけど、でも、学校に来ないのはヒロト自身だ。


睨むような瞳を向けてみれば、スッチはまた、諦めるように宙を仰いだ。

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