星屑
あたしだって周りに反対された中で、それでもママは産んでくれた。
つまりはあたしも決断ひとつで今、この場に生きていなかったかもしれないということ。
確かにこの年で子供を産むなんて、想像すら及ばない。
どうなるかもわからない選択をするよりは、堕ろした方が良いとも思う。
けど、でも、殺すってことでしょ?
「…そん、なっ…」
「じゃあどうすれば良いのよ!」
吐き出すような沙雪を前に、また言葉が出なくなる。
一番の当事者である大地くんがこの場にいないということは、せめて責任で一緒にいることすら放棄したということだろうか。
「スッチだって何か言えよ!
お前だってぶん殴りに行かなきゃ気が済まねぇだろ!」
ヒロトは怒鳴り散らすが、肩口を掴まれた彼は視線を外したままだ。
「やめてって言ってるでしょ!
そんなことしたってどうにもならないじゃん!」
樹里まで怒り、あたし達だけしかいない店の中は、もう本当にめちゃくちゃだった。
悲しくて、悔しくて、唇を噛み締めているのに涙が溢れる。
今更になって、こうなる前に何か出来なかったのかと、後悔ばかりだ。
「さゆだってホントは赤ちゃん産みたいもん!
でも父親がいないなんて可哀想すぎる!!」
じゃああたしは、可哀想なの?
出掛かった言葉は、だけども言えるはずなんてなかった。
うちの家庭の事情を知っている勇介はこちらを一瞥するが、沙雪を責めるべきではないとわかっているのだろう、何も言わない。
つまりはあたしも決断ひとつで今、この場に生きていなかったかもしれないということ。
確かにこの年で子供を産むなんて、想像すら及ばない。
どうなるかもわからない選択をするよりは、堕ろした方が良いとも思う。
けど、でも、殺すってことでしょ?
「…そん、なっ…」
「じゃあどうすれば良いのよ!」
吐き出すような沙雪を前に、また言葉が出なくなる。
一番の当事者である大地くんがこの場にいないということは、せめて責任で一緒にいることすら放棄したということだろうか。
「スッチだって何か言えよ!
お前だってぶん殴りに行かなきゃ気が済まねぇだろ!」
ヒロトは怒鳴り散らすが、肩口を掴まれた彼は視線を外したままだ。
「やめてって言ってるでしょ!
そんなことしたってどうにもならないじゃん!」
樹里まで怒り、あたし達だけしかいない店の中は、もう本当にめちゃくちゃだった。
悲しくて、悔しくて、唇を噛み締めているのに涙が溢れる。
今更になって、こうなる前に何か出来なかったのかと、後悔ばかりだ。
「さゆだってホントは赤ちゃん産みたいもん!
でも父親がいないなんて可哀想すぎる!!」
じゃああたしは、可哀想なの?
出掛かった言葉は、だけども言えるはずなんてなかった。
うちの家庭の事情を知っている勇介はこちらを一瞥するが、沙雪を責めるべきではないとわかっているのだろう、何も言わない。