星屑
「俺とりあえず、大地んとこ行くわ。」


「なら、あたしも行く!」


すかさず樹里が立ち上がった。


けれども勇介は、止めといた方が良いよ、と言う。



「樹里ちゃんが行ったってマトモな話しは出来ないじゃん。」


「でもアンタは大地の味方なわけでしょ?」


味方?


と彼は、いぶかしげに眉を寄せる。



「言っとくけど、俺は今回、アイツのこと庇うつもりはないから。」


そう言った勇介に、樹里は驚いたように目を丸くした。



「大地が半端なことしてんのは事実だし、許せる話じゃないと思ってるから。
でもまぁ、一応どういうつもりなのか聞かなきゃだし。」


それは、誰の肩も持つ気はない勇介らしい言葉なのだろう。


あたしは何も言わなかったが、ヒロトは睨むように彼を見た。



「お前の仲間なんじゃねぇのかよ?」


「悪いけど俺、そういう仲間意識なんて持ってないから。
だから、それが大地だろうが誰だろうが関係ないよ。」


勇介はそれだけ言い、店を出た。


未だ納得出来ない顔をしたヒロトは、腹の虫を治めるように舌打ちをする。



「勇介ってあんなヤツだと思わなかった。」


樹里はぽつりと呟いた。


確かに人前での彼は、優しくて、友達がいっぱいに見えていたのだろうから、彼女がそう言うのも無理はないだろう。



「あれが本当の勇介なんだよ。」

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