星屑
騒ぎを聞き付けたのだろう、授業中にも拘らず、わらわらと人が集まる中で、スッチが止めに入った。


生徒たちや先生たちの視線は、こちらに集まっている。


人の波を掻き分け、樹里と沙雪まで現れた。



「お前ら、触ってんじゃねぇよ!
俺はコイツ殺さなきゃ気が済まねぇんだよ!」


後ろからはがい締めにしたスッチさえ振り払おうと、ヒロトは声を荒げる。


勇介は、倒れたまま動かない。



「ヒロト、やめなよ!」


「そうだよ、ヒロトくん!
何やってんのよ!!」


3人に止められ、ヒロトはやっと、荒くなった呼吸を落ち着けた。


先生たちですら、言葉を発することはない。



「奈々も何やってんのよ!」


樹里に怒鳴られ、弾かれたよう顔を向けてみれば、体中が震えていることに、その時やっと気がついた。


沙雪は泣いていて、なのにあたしの思考は及ばない。



「見てんじゃねぇぞ!」


さすがにスッチが野次馬を追い払い、勇介の傍に駆け寄った。


げほげほと咳き込みながらも彼は、体を起こす。



「なぁ、何があったんだよ!
つーか今まで何やってたんだよ!」


なのに勇介は、そんなスッチさえ振り払った。



「馬鹿女の友達もやっぱり馬鹿。」

< 299 / 418 >

この作品をシェア

pagetop