星屑
「…は?」


スッチは耳を疑うように眉を寄せる。


勇介はよろめきながらも立ち上がり、痛みに顔を歪めるが、でも言葉を止めない。



「お前らの友情ってヤツも、いい加減笑えんだよね。
鬱陶しいんだって、そういうの。」


「おい、待てよ。」


また殴り掛かろうとしたヒロトより先に、スッチが彼の胸ぐらを掴み上げた。



「それってマジで言ってる?」


「マジじゃなかったら何?」


瞬間、勇介を殴り飛ばしたのはスッチだった。


これほどまでに怒った彼を見たのは、きっと初めてだ。


沙雪は顔を覆ってしまい、樹里もまた、心底驚いたような顔で立ち尽くしていた。



「俺も一応平和主義者のつもりだけど、今の言葉は許す気ないから。」


そう吐き捨て、スッチはきびすを返した。


そしてこちらに歩み寄り、行こうよ、とあたし達に言う。


無言でヒロトに腕を引かれたあたしを見て、樹里と沙雪はまた驚いたように走って追い掛けてくる。


スッチは歩いて後ろをついてきたが、あたし達が勇介の方を振り返ることはない。


遠巻きに見守る生徒達と、固唾を呑んだままの先生達。


その人波を掻き分け、あたし達は進んだ。

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