星屑
「なってんの?」


まぁね、と彼女は言う。


例えば生理中は憂鬱だったりするように、樹里はたまに全てのやる気を失うことがある。


その理由までは知らないけれど、言おうとする気配はないので、聞くに聞けなかった。



「あたしって何やってんだろうなぁ、って。」


「思ってんの?」


また、まぁね、と彼女の台詞。


去年からずっと仲良く一緒にいる樹里だけど、あたし達はいつも、付かず離れずの距離を取る。


だから実は、樹里については知らないことの方が多いんだろうな、とは時々思うけど。


今の彼氏が大学生で、名前とプリクラくらいは見たけど、その程度。


沙雪のようにデートでの出来事を詳細に語ってくれるわけでもなく、言いたがらないのだ。


変なヤツだな、と、同じくらいに変なヤツのあたしは思う。



「奈々こそ何やってたの?」


さっきの時間。


と、付け加えられた言葉にぎくりとした。


まさかここで、あたしに話が及ぶとは思ってもみなくて、



「空、見てた。」


抱き合いながら。


とは、さすがに言えなかったけど。


やっぱりあたしも樹里も、多くは語らなかった。

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