星屑
まさか、あたしの携帯に勇介の名前が入るとは思わなかったわけだが。


少し気まずくて、早々にそれをポケットに仕舞った。



「そういや奈々って名字、何?」


「…知らなかったの?」


少し呆れながらも、浅倉だよ、と返した。



「浅倉?」


一瞬、勇介はいぶかしげに眉を寄せ、それを反復させる。



「…何よ?」


「いや、似合わないとか思って驚いただけだよ。」


すぐにははっ、と笑った彼に少しの違和感を覚えたものの、失礼な、とあたしは言う。


ぶつぶつと文句を言っていると、勇介は「何か食う?」と聞いてきた。



「奢るってさ、俺言ったじゃん?」


あぁ、と思い出した。



「別にそんなの良いのに。」


「でも俺、約束したしなぁ。」


それはそうだが、でもあたし達は別に、付き合ってさえいないんだし。


なので、本当はあまり奢ってもらう理由もなく、少し困ってしまうわけだが。


困惑しているあたしをよそに、彼はCDを買うことを諦めたのか、さっさと店を出てしまう。


何でこう、コイツは自己中なんだよ、と思いながらも仕方なく、あたしはまた、その背中を追った。

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