星屑
「俺、正直今は奈々に会いたくなかったんだけど。」


そして、愚痴っちゃいそうだし、と困った顔をする。


親友でも恋人でもないのに、あたし達は近すぎる場所にいるのだろう。


曖昧に笑った顔しか返せないでいると、勇介は酒を流す。



「あ、忘れてた!」


「ん?」


慌てて思い出し、あたしは彼のシャツを引っ張った。



「ねぇ、沙雪がアンタの友達の大地とかってのが気になってんだって!」


「…大地?」


「うん。
だから何とかしてあげたいんだけど。」


何だかんだ言っても沙雪は大事な友達だし、やっぱり幸せになってほしいから。


勇介はんー、と考えるように宙を仰ぎ、任せて、と軽く言った。



「大地は多分、さゆちゃんみたいなタイプ好きだと思うし。」


「…でも、くれぐれも変なこと言わないでよ?」


「ん、大丈夫。」


ホントかなぁ、とは思うけど。


とりあえず話が前進したことに安堵し、あたしはほっと胸を撫で下ろした。


が、もっと重要なことがある。



「ねぇ、大地くんってどんな人?」


「大地のこと、気になる?」


「てゆーかあたし、顔すらわかんないし。
さゆってチャラいの好きだから、何かその辺心配なんだよね。」


ふうん、と彼は言う。

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