君の声
「……」
寝室に入るとタキシードを脱ぎ捨ててラフな格好に着替えた
ドガッとソファーに座って最悪な今日を思い出した
(…由衣になんてこと言うんだ…あの女…
由衣…やっぱり連れて行くんじゃなかった…由衣の涙なんか見たくない…
父さんも諦めて欲しい…仕事も順調だしこれ以上業務拡大してもリスクが大きくなるだけだ…)
本郷グループの次期社長の立夏は本郷の仕事以外にも会社を持っている
例え本郷グループが地に落ちて倒産しても立夏の生活にはあまり支障がないが、抱えている社員数を考えれば業務拡大よりも今現在の業務のレベルアップをしたほうがいいと思える
(強欲な性格を治してもらいたいよ)