君の声


 (ったく誰かとは大違い………?…僕は誰のことを言ってるんだ?)


記憶を探るように思いにふけるとズキリっと頭が痛む


 「っ…」

 「どうしました?」


頭を押さえた立夏に小首を傾げる真由


 「いえ……」

 「そうだわ、よかったらこれ食べて下さい、知り合いの青果店のものなんですけど…」


と言ってあまり大きくないフルーツの篭盛りをサイドテーブルに置いた


某フルーツ専門店のシールが貼られていた


 (っ……こんなものばかり…僕が喜ぶとでも?)




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