君の声


しばらく由衣を抱きしめていると「スーッ、スーッ」と耳元で寝声が聞こえてきた


 「由衣…?」


身体を話して由衣を隣に横たえた


 「っ…」


由衣の寝顔を見ているとまた頭痛が立夏を襲った


 (記憶が戻りかけているのか?)


そうなら嬉しい兆候だ


記憶がなくても由衣のことは好きだが記憶が戻れば以前のように由衣を愛せる


静かにあどけない寝顔の愛しい人


 (早く良くなって屋敷に帰ろう…由衣)


立夏はクスッと微笑むと由衣の額にキスを落とした





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