君の声
真由の罠
(ふふっ…最後の逢瀬でも楽しむといいわ)
(立夏さんが退院する頃には私のものになっているもの…)
立夏が入院して早2ヶ月が過ぎようとしていた
リハビリも順調にいき、歩くのには支障がないほど回復していた立夏
しかし立夏の回復と比例するように由衣の心は重く閉ざされていった
* * * * *
それは立夏が退院が後2週間と迫っていた頃
「こんにちは、由衣さん」
(えっ…なんで?)
その日は村田も篠田も律子も本家に用事があって立夏の屋敷には由衣一人だった
もちろんそれを知っていて真由は訪ねてきた