君の声
村田は一瞬驚いた顔をしたが由衣を見て立夏に
「かしこまりました」
と腰を折ってからダイニングを出てすぐに二膳お箸を持ってきてくれた
ーありがとう
由衣は自分の思っていたことが立夏に伝わって嬉しくなって顔をあげて微笑んだ
立夏も微笑んで応えると由衣からは肩の力が抜けて、リラックスしながら篠田が奮ったフルコースを楽しみながら食事が出来た
(怖いくらい私の言いたいこと伝わるんだ…)
食後のコーヒーを飲んでいる立夏をちらりと見た
「うん?食べないのかな?」
由衣のフォークが止まっているのに気づいて立夏がじいぃと見る
とふいに立夏の指が由衣の口元に滑る
(えっ…?)
気づけば口元についた生クリームを拭われその指が立夏の口に入った