君の声


 「風邪引くよ…由衣こっち来て」


立夏はベッドに上がってその前のラグの上に由衣を座らせてドライヤーを手にした


ブォォォォ~


由衣の長い髪が舞いながら乾かされていく


 (…仕方ない、か…)

 (だめだな……明日になったら覚えたこと忘れそうだよ…)


微かに震える肩

立夏はドライヤーを止めると脇に手を差し込んで上にあげて抱きしめた


 「由衣、大丈夫…由衣はしっかりと出来るよ…それに僕は由衣じゃないと…いやだか…ら」


ぎゅぅぅと抱きしめられて由衣もその腕に手を乗せた


 「由衣…僕は由衣が好きなんだからね…忘れないで…」


立夏の幸せな言葉に不安とは別に明日が来なければいいのにと思った由衣だった





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