君の声
パーティー
(ほ…ホテル?)
だだっ広い駐車場のセリカから降りた由衣は立夏の実家を見上げた
立夏の屋敷も凄いと思ったけどそれ以上の凄さ
「まぁホテル業だからね…」
と由衣をエスコートしながら庭に歩いた
(いつ来ても嫌な感じだよな…)
最後に来たのはいつだったかと思うくらいしばらくぶりの実家
でも出て行くように一人暮らしを(村田たちを連れて)はじめた立夏にはあまり帰りたくない場所でもあった
会場の庭園からは取引先の重役たちが談笑している
その声にピンッと背筋を伸ばして緊張してきた由衣
「大丈夫だからね?」
立夏の微笑みに少し緊張が解されてもぎこちない微笑みを返した由衣