恋時雨~恋、ときどき、涙~
「この子、特に目のあたりとか、髪型が、真央ちゃんと似てると思わない?」


違う。


確かに、そう言われてみれば、そうなのかもしれない。


でも、全然、違う。


わたしは首を振って、メモ帳にボールペンを走らせた。


【この子のほうがかわいい
 芸能人みたい】


亘さんが、吹き出して笑った。


「見た目だけは、ね。でも、性格はすごいよ。男前なんだ」


そう言って、亘さんはメモ帳に書いた。


【尾花 果江】


おばな かえ。


そう、読むらしい。


「おれの、幼馴染みだよ。今は、アメリカに居る」


わたしは、亘さんからボールペンを奪った。


【どうして?
 それに車椅子 歩けないの?】


亘さんは、切なげな顔で首を振った。


「歩けるけど、生まれつき、身体が弱いんだ。果江は、心臓病だから」


果江さんとは知り合いでも何でもないのに、わたしは何故だかひどいショックを受けた。


【けんちゃんと果江さんの関係は?】


わたしがメモ帳に書いて訊くと、亘さんは都合悪そうな顔をして話し始めた。


ゆっくり、わたしがちゃんと読み取れるように。




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