恋時雨~恋、ときどき、涙~
わたしは肩をすくめた。
静奈は、順也のところへ戻ってくるのだとばかり期待していたからだ。
静奈は苦しそうに、泣きながら手話を続けた。
「もう、私は静奈じゃないから。静奈っていう名前を汚したから」
わたしと健ちゃんは、たぶん、同時に息を呑んだ。
止めようと思えば、どうにでも止めることができていたのだと思う。
でも、息を殺すことで精一杯だった。
「私、風俗で働いてる」
冷たい雪混じりの風が、順也と静奈の間を強く吹き抜けた。
さすがの順也も、驚いたに違いない。
でも、驚いたのはわたしの方だった。
順也は顔色ひとつ変えずに、静奈を優しい目で見つめていた。
だから、驚いた。
「私、いろいろ調べたんだよ。順也の足、治る方法ないかって」
「うん」
順也が頷く。
「そしたら、インターネットのサイトに載ってた。手術をすれば治るって」
「そう」
順也が苦笑いをして、頷いた。
「けど、でたらめの情報だよ。これ、はもう治らないんだから」
肩をすくめながら、順也は両膝を撫でた。
「でも、私は必死だったよ。順也と、もう一度やり直したくて。その一心で。足が治れば、戻れるかもしれないって……思ったから……」
静奈は、順也のところへ戻ってくるのだとばかり期待していたからだ。
静奈は苦しそうに、泣きながら手話を続けた。
「もう、私は静奈じゃないから。静奈っていう名前を汚したから」
わたしと健ちゃんは、たぶん、同時に息を呑んだ。
止めようと思えば、どうにでも止めることができていたのだと思う。
でも、息を殺すことで精一杯だった。
「私、風俗で働いてる」
冷たい雪混じりの風が、順也と静奈の間を強く吹き抜けた。
さすがの順也も、驚いたに違いない。
でも、驚いたのはわたしの方だった。
順也は顔色ひとつ変えずに、静奈を優しい目で見つめていた。
だから、驚いた。
「私、いろいろ調べたんだよ。順也の足、治る方法ないかって」
「うん」
順也が頷く。
「そしたら、インターネットのサイトに載ってた。手術をすれば治るって」
「そう」
順也が苦笑いをして、頷いた。
「けど、でたらめの情報だよ。これ、はもう治らないんだから」
肩をすくめながら、順也は両膝を撫でた。
「でも、私は必死だったよ。順也と、もう一度やり直したくて。その一心で。足が治れば、戻れるかもしれないって……思ったから……」