恋時雨~恋、ときどき、涙~
猛暑日が、夕陽に溶けて水平線に沈んでいく。


翌日。


夕方、わたしたちは美岬海岸に集まった。


1週間前に知り合ったばかりのメンバーと、わたしと静奈。


仕事で遅れたけれど、順也も花火には間に合った。


合流するや否や、健ちゃんがわたしの肩を小突いてきた。


「よう。元気だったか?」


健ちゃんは、やっぱり、底抜けに明るい笑顔だ。


わたしは、頷いた。


負けじと脇腹を肘で小突き返してやると、なにするんけーと大きな口で、健ちゃんは笑った。


美岬海岸はまるで別世界のように賑やかで、華やかだ。


波のように押し寄せる、人々。


ショッピングモールのように立ち並ぶ、出店。


わたしと静奈は浴衣姿で、健ちゃんたちの後ろを金魚のふんのように歩いた。


突然、前を歩いていた健ちゃんたちが立ち止まり、擦れ違う人たちも立ち止まる。




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