恋時雨~恋、ときどき、涙~
仄明るい蛍光灯の下で、静奈の口が大きく動いたのが見える。
「真央は何も悪くない! 真央を悪く言わないで!」
静奈の両手に押し飛ばされた亘さんが、壁にぶつかってよろめいた。
「しー! やめろよ」
慌てた様子で、順也が静奈の腕を掴んだ。
「離して、順也!」
「しー! 落ち着いてよ」
「だって……だって、この人!」
たまらず、わたしは息を殺した。
怖くなって、隣に居た健ちゃんの背後にに隠れるように下がった。
健ちゃんの体越しに、亘さんの後ろ姿が見える。
亘さんの後ろ姿越しに、怒りに満ちた静奈と必死に止めに入る順也の姿があった。
怖くなって、わたしは健ちゃんの手を握った。
その時だった。
うつ向いていたわたしを、健ちゃんが腕で後ろに隠すようにした。
なに?
顔を上げて、顔を上げなければ良かったと後悔した。
目の前には今まで見たことがないくらい怖い顔をした亘さんがいた。
「なにしに来たんだ」
そう言って、亘さんはわたしの左腕をすごい力で掴み、健ちゃんの後ろから引っ張り出した。
「ちょうどいいや。真央ちゃんに話があるんだ」
わたしは、恐怖で足が棒になった。
「真央は何も悪くない! 真央を悪く言わないで!」
静奈の両手に押し飛ばされた亘さんが、壁にぶつかってよろめいた。
「しー! やめろよ」
慌てた様子で、順也が静奈の腕を掴んだ。
「離して、順也!」
「しー! 落ち着いてよ」
「だって……だって、この人!」
たまらず、わたしは息を殺した。
怖くなって、隣に居た健ちゃんの背後にに隠れるように下がった。
健ちゃんの体越しに、亘さんの後ろ姿が見える。
亘さんの後ろ姿越しに、怒りに満ちた静奈と必死に止めに入る順也の姿があった。
怖くなって、わたしは健ちゃんの手を握った。
その時だった。
うつ向いていたわたしを、健ちゃんが腕で後ろに隠すようにした。
なに?
顔を上げて、顔を上げなければ良かったと後悔した。
目の前には今まで見たことがないくらい怖い顔をした亘さんがいた。
「なにしに来たんだ」
そう言って、亘さんはわたしの左腕をすごい力で掴み、健ちゃんの後ろから引っ張り出した。
「ちょうどいいや。真央ちゃんに話があるんだ」
わたしは、恐怖で足が棒になった。