恋時雨~恋、ときどき、涙~
こんなふうに穏やかに微笑む幸を見たのは、いつ以来だろう。
「真央が」
幸が、わたしを指差した。
「真央が、初めてやった」
わたしは人差し指を左右に振って、首を傾げた。
〈何が?〉
幸が照れくさそうに肩をすくめる。
「嘘でも何でも。一緒に死のうとしてくれた人間は、真央が初めてだったんよ」
〈夢中だったから〉
「せやけど、うち、ほんまに嬉しかったんやで」
ありがとうな、と幸は何度も何度も、同じ手話を繰り返した。
どんなに苦しくて辛くても、必ず、朝は訪れる。
今日が涙の日でも、必ず、明日という日はやってくる。
それは時に残酷で、時に幸福で。
けれど、どんなに泣いていても、必ず、夜は明ける。
例えば、寒い寒い冬のあとには必ず、暖かな陽射しに包まれる春が待っているように。
悲しみのあとには、必ず、嬉しいことがある。
だから、ね。
幸。
もうすぐ、来るよ。
幸という女の子に、幸せは必ず訪れる。
食事を終えて食器を洗っていると、誰か来たみたいや、と幸はキッチンを出て行った。
「真央が」
幸が、わたしを指差した。
「真央が、初めてやった」
わたしは人差し指を左右に振って、首を傾げた。
〈何が?〉
幸が照れくさそうに肩をすくめる。
「嘘でも何でも。一緒に死のうとしてくれた人間は、真央が初めてだったんよ」
〈夢中だったから〉
「せやけど、うち、ほんまに嬉しかったんやで」
ありがとうな、と幸は何度も何度も、同じ手話を繰り返した。
どんなに苦しくて辛くても、必ず、朝は訪れる。
今日が涙の日でも、必ず、明日という日はやってくる。
それは時に残酷で、時に幸福で。
けれど、どんなに泣いていても、必ず、夜は明ける。
例えば、寒い寒い冬のあとには必ず、暖かな陽射しに包まれる春が待っているように。
悲しみのあとには、必ず、嬉しいことがある。
だから、ね。
幸。
もうすぐ、来るよ。
幸という女の子に、幸せは必ず訪れる。
食事を終えて食器を洗っていると、誰か来たみたいや、と幸はキッチンを出て行った。