天国に近い場所
「おい!」


必死で走っていると、後ろから手を掴まれた。

振り向くと、そこには龍美が立っている。

私を追いかけて来たんだ…





「離してよ!」

「無理」


龍美はそう言って、私を抱き抱える。




「おろしてっ!!」

「・・・」


龍美は何も言わないで、早足で歩き出す。


私は手足をじたばたさせたが、龍美は私をおろす気配がない。


涙で化粧は崩れ、浴衣はくしゃくしゃ。

あんなに楽しみにしていた花火大会が、こんな日になるなんて…


“最悪”の一言だ。
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