聖夜の約束

聖夜

大通りに立つと客を乗せたタクシーばかりで捕まえられそうになかった。


夏姫はダウンジャケットを取ってしまったせいでレイが風邪を引かないか心配していた。


「ごめんね　寒いよね」


「夏姫さんこそ　そんな姿で来るなんて・・・よっぽど慌てていたんだね？もしかして奴に変な事をされかかったりして？」


意地悪く聞くレイに夏姫が大きくかぶりを振る。


「レイくんに会いたかったから・・・」


素直に出た言葉がレイにはうれしかった。


「可愛いな　夏姫さん」


にっこり笑ったその時、２人の傍に黒塗りの高級外車が停まった。


そして中からスーツを着た青年が降りてきて２人の目の前のドアを開けて頭を下げた。


「お待たせいたしました」


金髪の青年は明らかに外人なのに流暢な日本語を話す彼に夏姫はぎょっとした。



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