聖夜の約束
夏姫は5時30分には支度を終えて駅前のカフェに向かっていた。


まだ約束の時間には時間がある。


カフェに入ってアールグレイティーを頼む。


夏姫はこの香りが大好きで、嗅ぐと気持ちが落ち着く。



(今朝はレイくんと話もせずに出てきちゃった・・・レイくんは朝もあたしに怒っていた。だからあたしが出かける時も毛布に丸まっていたんだ)



アールグレイティーを一口飲むとため息が出た。





「松下さん、お待たせ」


ぼんやりしていたらしい。



目の前に彼が立って声をかけられるまで気が付かなかった。


「は、長谷川さんっ!」


「待たせすぎちゃったようだね」


待たせすぎてぼんやりしていたと思ったらしい。



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