アイ・マイ上司とlove☆days
私なんて、誰よりも近くで見ていても慣れないのに――
「すみませんでした・・・
ただちに計算して、課長の下へお持ち致します」
すぐに席を立って、深々とお辞儀をするのは日常茶飯事。
「ウチの会社特有の仕訳ではあるけど…。
いい加減に勘定科目を覚えてくれないか。
これだと、いつまでも同じ仕事しか頼めないだろ?」
「すみません…」
ハァ…と溜め息をついて、眉根を寄せている稲葉課長。
怒りを秘めているのか、本気で呆れているのか分からない…。
「まぁ、いい・・・
ついでに、これらの計算と仕訳もしておいて。
今日中に、何としてでも完成させてくれよ…?」
「ッ…、かしこまりました…」
渡されたズシッと重い勘定元帳に、ドクッと鼓動は高鳴ってしまう。
だってコレは、私たちを繋ぐ“秘密の合図”だもん・・・