アイ・マイ上司とlove☆days
「異動が決まった時にさ、私がいたらダメだって思っちゃって・・・
別れようって言ったら、アイツなんて言ったと思う?
別れる代わりに…、今の仕事だけは辞めんなって…。
経理の仕事は奥が深いから、オマエみたいな猪突猛進女にピッタリだって言ったのよ?
だからその約束…、ここまで守ってたみたい…」
そんな美紀さんこそ、元・課長に襲われてすごく怖かった筈なのに…――
「うぅっ・・・」
「もー、何で鈴ちゃんの方が泣いてんのよ?」
「だっ、て・・・」
「ホント、手のかかる後輩だコト…」
泣き笑いながら話す彼女の言葉に、もう泣き虫な私が我慢なんて効く筈も無くて。
本格的に泣き始めた面倒な後輩を、ギュッと優しく抱きしめてくれた…。
自分のせいだと思いつめて、大好きな人と別れる道を選んだ苦渋の決断を。
もし、これが自分だったらどうすると思う?なんて考えてしまっていた…。
「でもね…朋樹に再会出来て、本当に良かった――
誤解だったのよね、朋樹は自分で異動願いを出したなんて知らなかったから…。
襲われた事が公に出ずにただの喧嘩沙汰で処理されたのも、2人のお陰だったのにね?
何か1人拗ねて、夜な夜なコンパに出歩いてたのが情けないわ…」
「・・・・・」
2人のお陰というのは、輝と朋樹さんが動いていたからなんだよね。