=凪=
あれこれと、メニューに悩む先輩を見ていた。



フラッシュバックで、バイクでの、あのシチュエーションが思い出されて、少し照れてしまう。



『今日はいつもと違う……』


そしてメニューが決まり、注文をしてからの間が、とてももどかしく長く感じた。



一方、先輩は窓の外のバイクを、嬉しそうに眺めている。



私は、意を決して聞いてみた。


「そういえば、初詣でに来なかったですよね?クルミが心配してましたよ…」



「あぁ、年末年始はあいつを手に入れる為にちょっとバイトをな……」


「そうなんですか…」

会話が続かない……



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