=凪=
「なぁ?クルミちゃんて彼氏いないの?」


突然の質問に、飲みかけのお水を、思わずこぼしてしまいそうになった。



「く、クルミですか?」


そっ♪と笑う顔に、ドキッとする。



『やっぱり……今日の私、変だ……』


いないと思いますと、答えたところに店員が美味しそうなご馳走を、並べていった。



せっかくの食事も、クルミの名前を聞いたからか、あまり味を感じない。



先輩は、満足気に料理を平らげていく。



なんとか、お腹に詰め込んだ頃には、先輩の目の前に、空のコーヒーカップが置かれていた。



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