ブラッディ アリス
「…先にカジノに行くって言ってたんだけど…」
クラウドはそう言いながら場内を見渡す。
「見てませんよ…?」
ミカイルも一緒に場内を見渡す。
「…大丈夫かしら?…あの子…まだ慣れてないし…」
まるで保護者のようなフォルチュナは、不安げな眼差しで場内を見つめる。
「もう22なんだから、一人でも問題ないわよ」
笑いの治まったイザベラは、笑顔でフォルチュナの肩をポンッと叩く。
カルサのことなど何一つ心配していない様子のソーディルとラビは、次のベットを始めていた。
その間で両腕を組み、無言で何かを考えているアリス…。
「…私、カルサを捜してまいりますわ!」
アリスは突然そう言うと、勢いよく席を立った。
「…ゲームの途中ですよ?アリス」
冷ややかな表情で、ソーディルは立ち上がったアリスを見上げる。
そんなことお構いなしというように、アリスは歩き出した。
「クラウド様!私の代わり、お願いいたしますわ」
「…?!」
思わずソーディルとラビがクラウドを見る。
「わかったよ」
クラウドは快く引き受けると、ソーディルとラビの間に座った。
「アリス様…」
「ラビは賭けを続けててちょうだい。ちょっと場内を見てくるだけだから」
アリスはラビに微笑むと、人ごみの中へと入って行く…。
「待ってアリス!俺も行く!」