ブラッディ アリス
ラビと出逢って世界は一変。
まるで彼の瞳のように、薔薇色に染まる。
「カイル…ご機嫌ななめ?」
ラビは服を着ながらアリスに確認した。
「すっっごい…ご機嫌。なんで?」
アリスも黒い服を身にまとい、赤いリボンを髪に結ぶ。
「機嫌が悪いと、君を愛人の一人にしそうになるじゃん?僕の可愛いアリスを奪われたくないし…」
「ふん。私はあんな奴に殺されたりしない」
カイルの愛人…。
そう、それは…女の屍。
穏やかな昼下がり、親友カイルはアリスの家にやって来た。
「また新しい子を見つけてさ」
ソファーに座るなり、嬉しそうに話す…見かけは普通の美青年だ。
「本当に綺麗で…名づけるなら『青い薔薇』…かな。あの最後の瞬間…たまんないよ…」
「死体愛好家が、殺る瞬間に感じるなんて珍しいんじゃない?」
アリスは呆れたように言葉を返す。
その横でラビが笑う。
「彼女は特別だった。それだけさ」
カイルは自慢気に不適な笑みを浮かべた。
アリスとラビとカイル…。
この3人はいつもこんな風に、集まっては楽しくお喋りをする。
全ては秘密の中の秘密。
決して外部に漏らしてはいけない…。