ブラッディ アリス
「ラビット!」
突然声を張り上げ現れたのはアリスの姉…ナナリ。
「今までどこにいたの?!私の部屋に来てくれるって言ったじゃない!!」
そう叫ぶなり、ラビにすがりつく。
「ごめんね…ナナリ…今夜は行くよ…必ず」
優しくナナリを宥めるラビ。
その言葉が本気じゃないことくらい、誰だってわかる。
「あなたが欲しいの…今すぐに…」
ナナリはラビの虜になってしまった一人。
まぁアリスにはその理由が聞かずともわかる…あの誰をも快楽に沈めるベッドテク…。
だけど何故か、アリスはラビに落ちなかった。
「ん…」
自らラビに口づけをするナナリ。
それを拒むこともせず受け入れるラビ…。
アリスは冷めた目つきでその様子を伺っていた。
「続きをするから、部屋に行くよ」
ラビはナナリの相手をしながら二人に言う。
「わかった。じゃあカイル…私たちは出かけましょう」
「…あ…ああ…」
せっかくの楽しいお喋りは、ここ最近いつもナナリの登場でお開きになってしまう…。
アリスはそう不快に思いながらも、冷静な態度でカイルと家を出た。