ブラッディ アリス
「で、文書は?」
ミカエルが不満そうにアリスに尋ねる。
「……知ってたら報告してるわよ」
アリスも別の意味で不満そうに答える。
「…ただ…誰かが文書を受け取ってゾディアックの承認印を押さないと…神殿としても受理できないはずだから…」
「その神殿で、文書は見たのか?もしかしたら…文書無しで処刑したのかも…」
「確認してないわ。すでに執行済みの処刑に関する文書は、たしか聖導界の上の人たちを通さないといけないし…」
「執行前に見れば良かったじゃん」
「そんな余裕なかったのよ。それに、そういう事を不正に行う司教じゃないわ」
そう言い切るアリスを見つめるミカエル…。
「元カレのことは…よくわかってるってわけか…」
ミカエルの一言に反応するカルサと、アリスの横に就いているラビ…。
「も…元カレ?」
カルサが珍しく身を乗り出してアリスに尋ねた。
「もう過去の話。今は関係ありませんわ」
アリスは不機嫌そうに目を逸らす。
「…ふーん…。その司教には何か聞かなかったの?文書をどうやって受理したのか…とか」
無表情なミカエルは、さりげなくアリスの様子を窺っている。