ブラッディ アリス
暗い雰囲気になったアリスを不安げに見守るカルサ…。
カルサにとっても、アリスとカイルのスキャンダルなど実はどうでも良い…。
頭の中にあるのは、『ジャック』のことだけ…。
昨夜のカジノで初めて面会した『ジャック』の知られざる真相に戸惑いを隠せないのと、もし自分が『ジャック』との接点を持つ者としてバレてしまった場合の恐怖を想像すると…背筋が凍りつくようにゾッとした。
自分が『ジャック』と関わりを持っているなど…執事のマキシマでさえ知らないのに…。
「…よし!…とりあえず…」
何かを決意したようにミカエルがボキボキと指を鳴らす。
「…デイギリー…あとで特殊部隊に連絡しといて。あくまで内密に、ゾディアックメンバーそれぞれを調査すること…」
「御意…」
「あ…アリスとカルサはリストから外してな」
「ミカエル…まさか……軍部のスパイでも遣う気?…もしバレたらどうすんのよ…」
ミカエルの思わぬ行動に、少し驚きを見せるアリス。
「あいつらはプロ中のプロだよ。問題ない。べつに俺らは調査するだけ、他には何もしない。なんか情報があったらお前に教えるから。それからどうするかは…お前に任せる」
ミカエルは得意げに決めると、密かにアリスの反応を待った。
「…ふー…そう。ありがと。誠意だけはもらっておくわ」
アリスはあっさりミカエルのお節介を受け入れ、静かにアイスティーを飲む。
「………」
アリスのいつもとは違う素直な反応に、なぜか顔を赤らめるミカエル…。
そんなミカエルの様子を見逃さなかったラビは、少女の残酷さを嬉しそうに微笑んでいた。