ブラッディ アリス
緑の清々しい香りをのせた風が、車内を吹き抜ける。
鬱蒼とした木々の合間からわずかな陽の光が差し込み、森の奥からは不気味な鳥の鳴き声が響く。
バスは怯むことなく、どんどん暗闇の中へと進んで行く。
「スクアの森だ…」
「ここに『お菓子の家』があるの…?」
一変した周りの景色に、子どもたちはだんだん不安そうな表情を浮かべ始める…。
「って言っても…あんまり本名に似てるのも危ないよね…」
「そうね…」
一方…アリスとカイルは周りの様子など全く気にせず、真剣に偽名を考えていた…。
しばらくすると、生い茂っていた木の列が無くなり、綺麗に手入れされた黄緑色の芝生が
広がっていった。
そして、バスの前に突然現れた…白い大きな塀と黒い門…。
「…皆さん、着きました。ここが夢の『お菓子の家』です。順番になってバスを降りてください」
運転手はバスを門の前に停車させると、一番前に座っていた子どもから順番に誘導していった。
「…着いたみたいね…」
「…ふぅ……ゲームスタート…か…」
アリスとカイルもバスを降りる支度をする。
結局、アリスの偽名は『アンジェラ』…カイルの偽名は『カルマ』に決定した。