ブラッディ アリス
ラビと出会ってから、アリスが遊んだ人間は…3人。
その3人を最終的に手にかけたのは、ラビだった。
きっと今までも殺人を犯してきただろう…ラビの赤い瞳は、まるで返り血を浴びたよう。
アリスだって、自分だけは安全だという保障がないことなど解っている。
「最初に契約したことを覚えてる?」
ラビはその瞳で真っ直ぐにアリスを見つめる。
「…ええ…」
…『契約』。
それは出会った当初、ラビが提案してきたことだった。
自らをアベル家当主専属の執事として常に行動を共にさせる代わりに、アリスには最高のゲームを提供する…。
「今回のは…契約違反じゃなくて?」
「…っ」
ラビの口元がわずかに笑みを浮かばせる。
なんて答えていいかわからないアリスは、必死に抑えられた体を起こそうとする。
「罰として…僕をイカせてくれないかな?ナナリとやっても何も良くないんだよ。だから毎回イケなくってさ…」
「なっ…今ここで?!」
初めて言い渡された『罰』に戸惑うアリス。
「そう。しかも…プライドの高い君が今まで一度もしなかった…口でね…」
アリスの目は大きく見開く。
「私に…舐めろと言うの?執事の分際で…」