ブラッディ アリス
あたかも自分が優位にたっているかのように、アリスを見下ろすラビ。
アリスはゆっくり瞼を閉じ、自分を落ち着かせた。
「…嫌よ。だったらもう執事を辞めてもらって構わないわ。それに今回のは…あなたがくれたゲームじゃないもの。契約は無効だと思うけど?」
ラビが一瞬力を抜いた隙をついて、アリスは勢いよく起き上がった。
「…アリス…」
ラビは少し驚いたようにアリスを見つめる。
「…私をなめないでよ…」
その一言にラビは「ふっ」と鼻で笑った。
「…さすが…アベル家の当主を務めるだけあるよ…。じゃあつまり…今回は…僕無しでやるの?」
今度はラビの一言にアリスが鼻で笑う。
「あなたが来た時点で、それは無理だと思うけど…違う?」
アリスはラビに手を差し出す。
「…そうだね…。こんな楽しい事…仲間外れなんてもう嫌だよ?ご主人様」
静かにアリスの手を取り、ラビはアリスに口づけをした。