ブラッディ アリス
「…?…なによ…」
アリスはしぶしぶ鏡のある部屋に戻る。
「聞いてよ…カナリィの弟の話…」
「…は?」
アリスは椅子に座っているカナリィと目を合わせる。
「……私には…ロビンっていう弟がいるんです…」
瞳を潤ませたカナリィは、強い眼差しでアリスを見つめる。
「…ロビンは、この施設に2ヶ月くらい前に入りました…」
アリスは大きな目をパチパチとさせて、カナリィに少し近づく。
「……それで?…様子を見に来たっていうの?」
カナリィはコクンと頷き、そのまま俯いてしまった。
「…アンジェラ……これ見てよ」
「…え?」
ふっと見たカイルの手には、白い封筒…。
「…?」
アリスは封筒を受け取り、不思議そうに眺める。
表には住所と…カナリィのフルネーム…。
そして裏には…小さく書かれた『ロビン』という名前…。
「…読むわよ…?」
アリスはカイルに確認すると…静かに封筒の中身を取り出した。