ブラッディ アリス
「…はぁ……ホントね…」
アリスは玄関の扉を開けようとしたが、先ほどのクロウの言うとおり、扉には鍵がかかっていた。
「……」
他に出口がないか、辺りを見回すアリス…。
窓はあるが、高い天井に備わっている天窓なので到底届かない…。
廊下の壁には数個の絵画と装飾されたライト…他に怪しい物はない…。
アリスは来た道を戻りながら、床に敷かれた真っ赤な絨毯を見つめる。
「…見た感じ…高さのある建物だったわよね…」
アリスは鏡のある部屋の前を素通りし、隣の部屋に入ってみた。
「…本当にお菓子がいっぱい…名前のとおりね…。……そして…」
ゆっくりと上を見上げる…そこは……。
「…ここも天井が高い……。…どうやら二階は無さそうね…」
アリスはため息をついて、お菓子をつまむ。
「あ!アリス…!…ちょっと来て」
少し慌てた様子のカイルが、廊下から顔を覗かせた。