ブラッディ アリス



…ガチャ…



書斎へと戻る扉をほんの少し開けて、アリスはラビの方へ振り返る。


「……彼に……抱かれようと思ったわ…。抱かれてもいいと思った…。…あなたには関係のないこと…。…この体……ただの道具でしかないもの……」


醒めた瞳でそう言ったアリスは、俯きながら扉の向こうへと消えて行った。




「……アリス……」

兎は静かに閉まっていく扉を見つめ、呟く…。






少女は堕ちる。


少女を導くのは一匹の兎。


少女を見つめるのは一匹の猫。




じゃあ


少女が兎と出逢ってしまう運命を創りあげたのは?







…アソビマショウ…



……カワイソウナ……


…アリス・アベル…





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