ブラッディ アリス

「ミカエル様…なんて?」

ラビはアリスに近づき、なだめるように後ろから優しく抱きしめる。

「今回の処刑はどういうことなのか…って。しかもアンディビッヒが怒ってて、ハルザンヌに来るとか言ってるらしいわ…。あいつがいると面倒なのよね。早く引退してくれないかしら…」

アリスはブツブツ言いながら、ラビの手をぎゅっと掴んだ。

「アンディビッヒ…?…スティルバロ公爵か。カプリコルンのやつってみんな偉そうなんだよな…」

カイルもまた、大きくため息をついてベッドにうなだれる。

「そうね…。カプリコルン国は世界最高位って言われてるし…。まぁ頑張んなさいよ…次期アリエス国国王陛下カイル様。もう手は考えてあるんでしょ?」

「まぁね…」

ニヤリと笑うカイルを見てアリスは嬉しそうに微笑んだ後、ゆっくり立ち上がった。


「では…そろそろ始めましょうか…。…ラビ?」

「ああ…わかってるよ…」

ラビはポケットから一台のケータイを取り出す。
そのケータイは、アリスが首からぶらさげているのと全く同じ機種。

「カイルは私と一緒に寝て。まぁうまくいったときのために、服は脱いでね」

カイルは頷くと、静かに服を脱ぎ始めた。




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