ブラッディ アリス



「…アリス様…」

「…いいの!…それ以上…何も言わないで…。…じゃあ……お別れね……」


アリスは庭の方を向き、足を一歩踏み込む。



「…行かせないわ!!」


…ドンッ…!

突然、強い力によって、床へと倒されたアリスの体。


「…な……ラミア…?!」


アリスを押し倒したのは、身も心もボロボロになったラミアだった。


「…行かせない…。ここで一緒に死ぬのよ…」

床に這い蹲り、アリスの上へと覆いかぶさるラミア…。


「騙したのね…『グレーテル』って…」

「騙した覚えはないわ。あなたを試してみただけ」

アリスはキッとラミアを睨む。


「……あなたは…あの…女公爵……?」




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