ブラッディ アリス


ラビが答えるより先に、煙の中から姿を現せたタウティとザリチェ。



「……ふ…ふふ……オロバスの望み……あなたたちに鏡は返すわ……」

アリスはニヤリと笑って、二人を見つめる。


「……ありがとう…ございます……」

タウティはゆっくりと礼をした後、ザリチェの頭を優しく撫でた。



「…兄さん…」


「……大丈夫…。僕もいるし…オロバス様もいる…。何も怖くないから…」


タウティはザリチェに微笑みかけ、ゆっくりとザリチェの手を握った。

そして、ラビに抱きかかえられたアリスの元へと足を進める。



「…止まったままの世界……やっと動くんですね…僕たち…」

アリスと、そしてオロバスを見つめ、安心したような表情で微笑むタウティ。


「……それと同時に、終わるわ…。……この施設を燃やしたこと…私は許さない…」

見つめ合う、アリスとタウティ…そして…ザリチェ。


「ドクター・ラマツ…。リリス家の人間が絡んでるという確証がつかめて、咄嗟に消そうと思ったんでしょう?」





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