ブラッディ アリス



オウルは二人を見つめたまま、無表情でアリスに答える。



「……二人は…あの炎の中です……。……僕は…何も…できなかった……」



その言葉を聞いたアリスは少し俯いた。



「…力を貸さなくて…ごめんなさい……」



そんなアリスの一言に、今度はピクッと反応を示したオウル。




「…いえ……悪いのは、僕らなんです…。…甘く見てたんです…。…世の中…全て…」





リムレスの隙間から、こぼれ落ちた一滴の涙…。



それは炎を映し出し、オレンジ色に光り輝く。





泣き出すオウルをじっと見つめるアリスに、カイルが背後からそっと声をかけた。


「……アリス……まだ終わってない……」









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